猫にそんなこと聞かないで。

発達障害とか精神科医とか猫とか外国とかの話

30万円をドブに捨てる。【ADHD猫p的クロニクル① 】

f:id:nkobi1121:20181029144151j:plain
こんにちは、猫pです🐾


私自身こんがらがっているゴチャゴチャした過去をちゃんと解いて整理してみようと試みた、誰得な連載記事、ADHD猫p的クロニクル。

とりあえず、アメリカから帰り、千葉で1人暮らしを始めた22歳頃から書き始めようと思います。


アメリカ生活については、過去記事のADHD猫p的勉強法・英語編や『モテない女』をご参照ください。



私の現在に至るまでの生活の変遷は、趣味(マイブーム)の視点で分けると、

Ⅰ.映画オタク期
Ⅱ.旅+バンドフリーク期
Ⅲ. 受験勉強ブーム期

からなります。でも、Ⅱの時期の趣味視点では今回は書きません。



さてさて、2ヶ月の南米放浪を終えて帰国し、一旦は両親のいる鹿児島に移り住んだのですが、変化のない生活に耐えられず、3ヶ月で上京。


まずは家賃1万3千円の風呂なし4畳半の千葉のアパートから始まりました。

ここのアパートは右隣はボーイフレンドをとっかえひっかえするプレイガールの婆ちゃんが、左隣には、私に何かと俳句の解釈を質問してくる中国からの東大女子留学生が住んでいて、彼らのエピソードもあるのですが、それはまた気が向いた時に書くかも知れません。



NY で出会ったトムクルーズ似のイタリア人男子と、将来映画制作をしようと誓い合い、年間1000本もの映画を観る程のオタクと化した私は、上京後にアルバイトで貯めた30万を握りしめ、渋谷にある、映画学校の門を叩きます。



ところで、世間で言うところの『映画好き』には、私の独断と偏見で分けると、ざっくり次の2種類が存在します。

タイプA : 大々的に全国放映する、話題性のある有名ないわゆるハリウッド映画を好むタイプ。
ハリーポッターシリーズ』、『スターウォーズ』、ブラピとか? ジュリアロバーツとか??
全米が泣いた!!』とかを、友人や恋人と、映画館で、コーラとポップコーン片手に、大いに盛り上がって観るのが基本。

タイプB: 単館系、アート系を好むタイプ。どちらかと言えば、1人でコーヒーなどすすりながら静かに観賞。俳優よりも、監督が目当て。クシシュトフ・キシェロフスキーのような、あまり多くの人が知らず、なおかつ舌を噛みそうな名前の監督を特に好む (偏見)。ストーリーが難解で抽象的だったり、シュールだったりするものほど有難がる傾向にある。

もちろん混合型もありますが、ここでは割愛。


たいてい無邪気に『映画好き』と公言するのはタイプA の人々で、ここでうっかりタイプBが、『映画好き』と言ってしまおうものなら、A は、『じゃあ、〇〇(大人気ハリウッド映画)もう観た? 泣けるらしいよ!一緒に観に行かない?』と続くため、Bは、用心深くタイプを見極めてから、映画好きを打ち明けるという、まるでゲイのカミングアウトにも似た慎重さを身につけます。

私はどちらかと言えば、タイプBなのですが、その一番の理由は、相貌失認のため、登場人物が多いハリウッド映画は疲れてしまうからでした。


さて、私が申し込みをしたそのイメージフォーラムという名の映画学校は、タイプBの人々の聖地でした。

全体的に黒系の都会的でさりげない服に身を包んだ『意識高い系』の若者達が、

ゴダールは最近質が落ちたね〜』
『やっぱり小津の初期のカメラワークがどうのこうの』
『最近は自分的には、ソクーロフがキてるかなって感じ』

とかなんとか、評論家然として盛んにギロンをしていました。



その日は、授業の初日であり、まず受講生の1人1人が自己紹介することになりました。


案の定、マニアックさを競うようなアピール合戦が始まりました。

アントニオーニが…
ベルイマンが…
カウリスマキが…
ヴィスコンティが…
溝口が…


その時です。
純朴で人の良さそうな青年が、こう挨拶しました。
『僕は、ハリウッド映画が好きで、特にスピルバーグ監督を尊敬しています』

途端に、そこかしこから失笑が漏れました。周りの受講生は、友人らと目を合わせてニヤニヤと意地悪そうな笑顔を交わしています。

明らかに、周りの受講生達は、スピルバーグ好きの青年を『自分より格下』とみなしているようでした。まだ1本も自分で映画をとってないくせに。


その時私の中で、何かがぷちんっと切れました。
この場所でこれ以上、息をするのもいやだ!
それと同時に、急速に映画への熱が冷めるのを感じました。映画には罪はないんですがね。


その日以降、私がその映画学校に行くことはありませんでした。年間30万円の授業料を出して、たった1日でやめてしまいました。笑



その日を境に、実質的には映画マニア期は終焉を迎え、旅やバンド活動にハマる次のブームへと移行していきます。


ではまた。
f:id:nkobi1121:20181029144047j:plain