猫にそんなこと聞かないで。

発達障害とか精神科医とか猫とか外国とかの話

発達障害猫pの身体感覚とそれにまつわるあれこれ

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佐々木倫子(動物のお医者さん)

 

(約2000文字)
昨日、私がひそかに心の師とも心の母とも思っているこばとさんが、自閉症児の痛覚鈍麻について書かれていた。

kobatokoba-kosodate.hatenablog.com

 

自閉症には感覚過敏があるのは良く知られていて、

対策はいろいろ研究・工夫されグッツも考案されている。

過敏は子どもが騒ぐので分かりやすい。

 

しかし感覚鈍麻の方の対策は過敏対策ほど進んでいない傾向にあるように思う。

 

 自閉症発達障害の人だけでなく、ほかの精神疾患を持つ患者さん達の中にもたまに、尿管結石があろうと虫垂炎があろうとけろりとしている人達がいて、何の訴えもなくても「なんかいつもとちょっと様子が違う…?」程度の違和感があっても調べてみると大変なことになっていたりする。感覚鈍麻は感覚過敏よりも本人はつらくなさそうだけど、シグナルがないということは危険なことだ。

 

かくいう私も痛み、恐怖、疲労という感覚が普通の人より鈍いようだ。

痛みについては、普通に感じるときは感じるのだけど、考え事に没頭したりすると、壁にぶつかったり電柱にぶつかったりしても気が付かず、お風呂でものすごい青あざを発見して、『なんじゃこりゃぁ!』となることがよくあった。

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たいてい私は考え事を机に向かってでなく、歩きながらするため、よくあちこちにあざを作る。普通はどんなに考え事をしていても、人々は体にあざを作るほど壁にぶつかったりはしないらしい。なぜ、私は没頭すると、体をぶつけてしまうのだろう、と考えてなんとなく思ったのが、私は没頭すると、自分の身体感覚を忘れるのではないかと思う。身体所在感覚とでもいうべきか。没頭すると、『そこに私はいません』状態になる。じゃあどこにいるのかというと、たぶん、千の風になっているのだ。だから前方から壁が迫ってきてもよけるということにならないのだろう。

こんなだから、母は私に車の運転を禁じたのだ。大人になって、一見いろんなことがちゃんとやれているように見える私に人は『もう車くらい乗っても大丈夫じゃない?』と言うが、それは無理というもの。運転中に何かの考えに没頭しはじめて千の風になってしまったら、それこそそのまま永久に千の風になってしまう。

 

でも、気づいたらもう長いこと体にあざをつくっていない。階段からも落ちなくなった。やっとこの年頃になって、私は私の操縦がうまくなってきたのだ。免許もいらない『自分』という乗り物でもこれだけぶつけるのだから、免許の必要な車に乗る多くの方々に畏敬の念を禁じ得ない。ちなみに階段から落ちるリスクにもかかわらず階段付きの家を選ぶわけは、ひとえに猫様への愛でしかない。猫様、階段好きだから。

 

そんなふうにしょっちゅう作っていたアザだけど、これが意外なところで役に立ったというエピソードを思い出した。

 

昔、ユーレイルユースパスという乗車券で2週間ほどヨーロッパ中の鉄道を乗り倒すという一人旅をしていた時のこと。

夜にボックス席で寝ていて気づいたら、昼間少しだけ話をした男が自分の上にかぶさってハァハァ言っていた。あれは日本人だったかなぁ、あまりよく覚えてないんだけど。

 

ふだん、皆さんが『ほほえましい』と言って下さるようなエピソードでは、私はパニくったりするのだけど、笑っていられないような状況になると、なぜかむしろめちゃくちゃ冷静になるのである。

例えば、 下の状況は選択を誤ったら死ぬよね、というエピソードだけど、こういう時はとても冷静。たぶん瞬発的に自分の危機を回避する能力には長けている。

nkobi1121.hatenablog.com

 

 

 コーフンした男が自分におおいかぶさり、ハァハァ言っている。

さて、どうするか。

以下、猫pの頭の中(高速回転で考えております)

できればケガをせず、この場を逃れたい。

幸い口は閉じられていないが、ここで大声を上げたら誰かが助けに来る前に、反射的にこの男が私の首を絞めるかもしれない。

ちん〇を蹴るのはこの体勢からじゃ難しい。

萎えさせるには…

『1か月風呂入ってない』はインパクト弱いよなぁ。実際に今あまり体臭がしてなかったら問題ないだろうし。

あ、アレ使えそうかな。いちかばちかだ。(ここまでたぶん2,3秒)

 

私は『エイズ発症してるんだけど、いいの?』と言って、男が一瞬ひるむと、私はみずから自分のふとももを見せた。そこには、打撲からおそらく3日目くらいの青、紫、緑、黄色、と派手なグラデーションになっているインパクトのある大きな打撲痕があった。

 

『症状が進行して、こんなふうに血が止まりにくくなってるから、私に何かしたら私の血がついて、エイズうつるよ?』と口からでまかせを言うと、男は萎えたらしく、そそくさと逃げた。エイズの症状を知らないアホでよかった。それにしても、あんなに立派な打撲なのに、やっぱりどこで打ったのかさっぱりわからないのであった。

最近は、以前ほどには無鉄砲ではなくなったので、ご心配なく。

 

ではまた。

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